2019年06月10日

アシンメトリーなひねりの指環に月桂樹の彫金

アシンメトリーなひねりの指環に月桂樹の彫金
アシンメトリーなひねりの指環に月桂樹の彫金
アシンメトリーなひねりの指環に月桂樹の彫金を施した指環です。

「ひねり」や「V字」は対称に作ることが多いですけれども、これは「左手の薬指付け根の傾き」に合わせてアシンメトリーに作った試作です。着けた時にわざと「真横」にならない様に、左側(小指側)がぐっと下がる様にしてあります。
そこに月桂樹の彫金、末端は一枚葉で終わらせました。


「彫金」というと、どうしてもストレートな指環のイメージがあります。しかし、彫金はいってみればグラフィック。描ける場面さえあれば、その形状は重要ではありません。
実はこの指環はそのサンプルの意味もあって創ったものです。

装飾したい範囲を綺麗に埋める形の模様を創ることができるかどうか?
そういうことなのです。

ご要望があれば、希望サイズで制作可能です。
いずれ「斫」にも掲載予定ですが、ご興味のある方は直接お問い合わせください。
posted by 荒井技巧 at 20:09| Comment(0) | TrackBack(0) | ジュエリー 創作

製品のコピーは請けません

先日、とあるブランドの製品を、「ゴム型を取ってサイズ違いを作ってほしい」という相談が持ち込まれました。内側の刻印も含めてですので、つまりは「違法コピー品を作れ」ということです。

えー、荒井技巧ではそういった仕事は請けません。
お断りします。
技術的には勿論可能なんですよ。
ですから、「できない」ではなく「やらない」です。

私自身物を創る仕事をしていますから、知らないところで勝手に複製を作られていたら、非常に不愉快です。
それに、それぞれの品物の価値は、各ブランドが一所懸命築き上げたもので、ある価格で流通しているのであれば、それが「社会に受け入れられた価値」です。それと同等のものを低価格で作って売るというのは、そのブランド自体を土足で踏みつけにするような行為です。
何より違法行為ですから、見付かったら処罰されますよね。それは嫌です(笑)。

「あるブランドのものが欲しい」と相談されたら、「それではそのブランドで買ってください」と答えます。
「高過ぎるから買えない」といわれたら、「それでは諦めてください」と答えます。
「コピーを作ってほしい」といわれたら、「お断りします」と答えます。
posted by 荒井技巧 at 19:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2019年05月21日

細かいキラキラのテクスチャ

細かいキラキラのマット
細かいキラキラのテクスチャ
新しいテクスチャを作りました。

細かい「あらし」の一つではありますが、
*金剛砂より光ります。
*アルミナのサンドブラスト程には白くなりません。地金面の光沢感が少し残ります。
*ガラスビーズのサンドブラストの様なしっとり感はありません。
*吹付ではないので、部分的な加工も可能です。
*ペーパーヘアラインの様な目(方向性)はありません。

色々と応用範囲は広そうです。
posted by 荒井技巧 at 22:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2019年05月18日

コミュニケーションは受け手によって成立する

つくづく思うのだけれども、いわゆる「報連相」の下手な人ってのは、「相手が何を必要としているのか」ということを全く考えないのね。
「そんなこといわれても役に立たない」ということを細かくいってきて、肝心なことが抜けている。
つまり、「報連相」のふりをして「自分のいいたいことだけ」をいってるのよ。

コミュニケーションは受け手によって成立する。
まずこれを理解してない。

「あなたが何をいいたいか」なんてことはどーでもいい。知ったこっちゃない。興味ない。
こっちが知りたいことを教えろや。

ってことですよ。
その為にはまず、「相手は何が知りたいだろうか」ということを想像してみなくてはならない。
そしてこれは、その人がいる集団の文化のひとつでもある。
posted by 荒井技巧 at 20:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2019年05月07日

庭が夏仕様

菜園
忙しさにかまけて出遅れました…

ようやく庭が夏仕様に替わりました。
今年もトマト育てます。写っているのは「純あま」というミニトマトと「シンディースイート」という中玉トマトです。
ここには映っていませんが、建物側にゴーヤを3種、松の舞という唐辛子と、甘長唐辛子、キュウリを植えました。
色々採れるといいな♪
posted by 荒井技巧 at 19:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2019年05月03日

「爪を大きく作ったのは石を大きく見せる為」というウソ

爪の大きな立爪
錯視
先日ですね、古いタイプの立爪(爪の高さも厚みもあるもの)を解体して、別な枠にチョコ留めで留めるという仕事をしたのですけれども、ふとした疑問が。

この古いタイプの立爪って、「石を大きく見せる為にこうしていた」と職人の先輩等から聞いていた訳ですが、いざ留め直してみると、チョコ留め方がはるかに石が大きく見える。
考えてみれば当たり前の話で、周りにある爪が大きければ、相対的に石はより小さく見える。昔からある錯視と同じです。

爪が高くて大きい立爪って、本当に「石を大きく見せる為」、だったんですかね?
この理由、後付けじゃないの?
誰かがいいだしたことを、よくよく考察もせずに、「使い易いから」という理由だけで広まった(「タンザナイト」が「タンザニアの夜」とされているのと同じ)。
もしかしたら「石座を含めた指環のボリューム」をアピールするということ?
それもなんだかなぁ…

いずれにせよ、「大きい爪」は石を大きく見せる効果は全くなく、むしろ逆効果、を実感した仕事でした。
posted by 荒井技巧 at 09:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 制作の周辺

2019年04月14日

キラキラ留め

キラキラ留め
隙間をタガネで切り落とします
「キラキラ留め」という留め方をご紹介します。
ちょっと「ダサ…」な名前ですし、昨今では「キラキラネーム」などという使われ方もしますからなんですけれども、とても綺麗な石留です。

彫留で少し石が大きく、かつパヴェの様に高密度に並べない場合には、どうしても隙間ができてしまいます。また、特にリフォームなどで石の大きさや数が自由にならない場合もそうですね。
そういうときに、石に合わせて枠切り(周りの輪郭)をしてしまうとあまりにも野暮ったく、逆に枠を大きく取ってその内側を全て切り落としてしまうと輪郭と石が全然合っていないのが際立ってしまいます。

そういうときにとても効果を発揮するのがこのキラキラ留めです。
石の周りをランダムにタガネで切り落とし、隙間を一面キラキラにします。丸みのない「面」で構成される為に粟留めよりもダイヤモンドのファセットと馴染みが良く、ちょっと離れて見ると一面ダイヤモンドで埋め尽くしている様に見えます。一体感を出せるといっても良いでしょう。


「キラキラ」という言葉、元は「きらきらしい=美しく輝いている」という形容詞なんですね。万葉集やら源氏物語やらにも出てくるらしいですよ。
更に元を辿る(?)と「綺は綾織の絹織物、羅は薄織の絹織物」で、美しい衣服全般を指す、だそうです。なので、よく「きらぼしのごとく」と言われますが「『綺羅星』の如く」ではなく、「『綺羅』、星の如く」が正しく、美しい衣服を纏った人や権力者達が集まった様を指して「『綺羅』、星の如く居並ぶ」というそうです。
posted by 荒井技巧 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 制作の周辺

2019年04月13日

磨り出し共有爪、磨り出し割爪

磨り出し共有爪、割爪サンプル
左から磨り出し共有爪、磨り出し割爪
お客様から違いを見てみたいという要望があり制作した、「磨り出し共有爪」と「磨り出し割爪」のサンプルです。
どちらも2mm幅の指環に2mm径のCZ(ラベンダーカラー)を留めました。

共有爪の方が全体としての一体感が出ますね。一方で爪が大きくなり目立ちます。石座の作り方は割爪よりもシビアで、どんな場合にでも使えるという方法ではありません。

又、いずれも石の両側の地金を切り落としてしまうので、その分指環は薄くなります。磨り出し爪で石を留めるには、指環に厚みが必要です。

実際には、石の大きさ、石の間隔、指環の幅が密接に関係してくる石留方法である為、仕上がりの雰囲気はそれらによって変わってきますし、このサンプルではできるだけ爪に丸みを持たせていますが、かまぼこ型に爪を作ることもできます。
石留の方法は職人に丸投げになりがちですが、仕上がりの雰囲気を大きく左右するものですので、デザイナーの方も「どう見せたいのか」をしっかりと考えて、そして伝える様にしてください。


それはそうとこのサンプルに使ったCZは違うロットから採ったのですが、カットのグレードが違い過ぎ…。
posted by 荒井技巧 at 09:30| Comment(0) | TrackBack(0) | ジュエリー 創作

2019年04月05日

サハラサバクアリとアイオライトとバイキング

アイオライトのアールデコ風ピアス
アイオライトのアールデコ風ピアス
在学中に作ったもの
先日、ロボットの自立制御に関する記事で「自分の位置や向きを認識する為に太陽の偏光を利用する」というものを読みました。
なんでも、サハラ砂漠に住むサハラサバクアリは、この太陽の偏光と歩数とを組み合わせて、高い精度で自分の位置を認識し、迷わずに最短距離で巣に戻ることができるそうで、それを参考にしたらしいです。

話は飛びますが、アイオライトという石は昔から「バイキングの石」として知られています。バイキングがアイオライトを使うことで正確に船の向きを捉えて航行した、ということらしく、パワーストーンの世界でアイオライトが「人生の羅針盤的役目をしてくれる石」などと位置付けられているのはここに由来するのでしょう。
アイオライトは偏光性の高い石で、スカンジナビアの船乗りは、それを利用して太陽の位置を掴んだそうですが、

ホントカヨ…

と思ったら、試した人がいたのですね。
スカンジナビア航空の一等航空士ヨルイェン・ヤンセンとデンマークの考古学者トーキルド・ラムスコウが、太陽コンパス(偏光フィルターが使われているらしい)とアイオライトによる観察結果を比較したところ、アイオライトで得られた結果は非常に正確だったそうです。
(参考:アイオライトとは?宝石専門チャンネル「GSTV」の宝石辞典)

人の裸眼は偏光に対する感受性がある、ない、と議論されるレベルですので、そのままでは自身の位置情報を得る程ではなさそうです。
果たしてバイキング達はアイオライトを利用することで、サハラサバクアリ同様に大空にコンパスを見ていたのでしょうか?


コンパスで分かるのは自分の位置や向きだけ。進むべき道を教えてくれる訳ではありません。どちらに進むのかを決めるのはあなた自身、全て自己責任です。
アイオライトのお守りを持ったからといって自動的に道が開ける訳ではありませんよ!
posted by 荒井技巧 at 00:14| Comment(0) | TrackBack(0) | ジェムストーン

2019年03月25日

磨り出し割爪

久しぶりに制作のお話し。
磨り出し割爪です。
この石留は、何も加工されていない状態の指環から「石座」と「爪」を磨り出して留める方法です。

磨り出し割爪のエタニティリング
目印になるものが何もない状態です。
リングサイズ、厚み、幅、石の大きさから、最適な留め数を割り出します。

磨り出し割爪のエタニティリング
今回は全体を36均等分割することにしました。
たまたま36という、何となく扱い易そうな数ですけれども、全ての場合にそう都合良く行く訳ではありません。たとえばこれも、リングサイズが#2程度大きくなれば、分割数は37の方が適当になります。実際に29分割、31分割等、非常に中途半端な数になってしまう場合は少なくありません。
又、今回は石留ですけれども、月桂樹の彫金の場合も、葉っぱの形を綺麗に保つ為には分割数をコントロールする必要があります。
因みに分割作業にコンパスは使いません。コンパスは誤差が積算される為、末端が合わなくなります。

磨り出し割爪のエタニティリング
やすりで磨り出しました。でもまだ石は留められません。

磨り出し割爪のエタニティリング
やすりで加工した部分はギザギザのガサガサです。光沢がありませんからそのままにはできません。
適当な大きさの丸毛彫りで磨り出した部分を更に削ぎ取り、光沢面にします。

磨り出し割爪のエタニティリング
爪を割って、順に石を留めていきます。
これを数十回繰り返す訳ですね…

磨り出し割爪のエタニティリング
留め終わって、側面を面出しした状態です。
爪を割ったりの作業で、どうしても側面にはカエリやバリが出ます。それらはきちんと取らなくてはなりません。

磨り出し割爪のエタニティリング
磨り出し爪の魅力の一つが側面の造形です。まるで彫刻額装の様に装飾的な形となります。

一気にできる作業でもなく、ひたすら地道な作業の繰り返しですから、向き不向きのある仕事ですね…
posted by 荒井技巧 at 22:54| Comment(0) | TrackBack(0) | ジュエリー 頼まれもの